呼吸器科のある街の動物病院
呼吸器科年間400件、呼吸器科スペシャリストによる診療、呼吸器科専門機器の完備

このようなお悩みありませんか?

  • 咳が止まらない
  • 呼吸が早い、息が荒い
  • 愛猫の喘息で困っている
  • 短頭種気道症候群で悩んでいる
  • 大学や2次診療施設に行く前の手術リスクの評価をしてほしい
  • かかりつけで薬をもらったが、症状が治らない
  • 猫漏斗胸の治療・手術がしたい

犬によくある呼吸器疾患

短頭種気道症候群

犬の短頭種気道症候群は、主に短頭種の犬(パグ、ブルドッグ、シーズーなど)に見られる呼吸器系の疾患です。この症候群の原因は遺伝的背景から生じる複数の気道短縮による合併で、結果として鼻〜気管までに気道の狭さを生じる様な一連の呼吸異常を引き起こすものです。

症状としては、呼吸困難、過度のいびき、運動不耐性などがあります。高温多湿の環境や激しい運動は症状を悪化させることがあり、また、ストレスや興奮も呼吸困難を引き起こす原因となることがあります。

重症度の高い症例は呼吸障害による日常生活の質の低下、さらには命に関わる緊急の呼吸困難が発生するリスクが含まれます。必要に応じて幼少期に予防的な手術が推奨されることもあり、短頭種の犬を飼育する際には、これらのリスクを理解し適宜、獣医師の診察を受けることが大切です。

気管虚脱

犬猫の気管虚脱は、気管が背腹方向につぶれやすい状態と定義されます発生部位と呼吸相から動的頸部気管虚脱、原発性気管虚脱、気管・気管支軟化症の3タイプに分類されます。この疾患の原因は、気管を支える軟骨の強度や形状の異常によるもので、気管の軟骨が柔らかくなり、形が変形して気管が狭くなることが特徴です。

症状としては、ゼーゼーとした呼吸音、咳、呼吸困難が挙げられます。特に興奮や運動後などで症状が悪化することがあり、また、飲食時にも咳を引き起こすことがあるため、日常生活に支障をきたすことがあります。

特に気管・気管支軟化症のリスクとして、慢性気管支炎や慢性心疾患、肥満などが挙げられます。いずれの疾患も進行すると、日常の軽い運動や興奮時だけでなく、安静時にも呼吸困難や咳が起こるようになるため、早期発見と適切な管理が重要です。重症化する前に獣医師による適切な診断と治療が必要となります。

慢性気管支炎

犬猫の慢性気管支炎は、2ヶ月異常継続する執拗な咳を特徴とする呼吸器疾患です。この病気は、気管支の粘膜が慢性的に炎症を起こし、過剰な粘液の生成を引き起こします。慢性気管支炎は犬に多く見られ、特に中年から高齢の小型犬に顕著ですが、肥満もリスク因子となります。

疾患の主な症状には、持続的な乾いた咳、運動不耐性、時には呼吸困難が含まれます。咳は特に寝起きや活動後に悪化することが多いです。冷たい空気やストレスが咳を誘発することもあります。

慢性気管支炎が持続すると、症状の悪化、呼吸障害の恒常化などが生じ、重症化すると生活の質が顕著に低下します。また、心肺障害を併発することもあります。管理としては、喫煙環境の忌避、空気清浄機の使用など環境の改善、獣医師による定期的なフォローアップと適切な薬物治療が症状のコントロールが不可欠となります。

猫によくある呼吸器疾患

猫喘息

猫の気管支疾患/喘息(FBD/A)とは繰り返す発作性の咳、喘鳴、努力呼吸などを呈する慢性気道病変の総称です。特定の抗原吸入によるI型アレルギー反応を原因となることが多いですが、原因が特定できないこともあります。

猫喘息の典型的な症状には、乾いた咳、呼吸困難、喘鳴(ヒューヒューという呼吸音)、急激な呼吸の増加が含まれます。特に運動後やアレルゲンに晒された後に症状が顕著になることが多いです。

この疾患は治療が適切に行われない場合、不可逆的で致死的な呼吸障害を負うことがあります。そのため早期の治療介入と、コントロールのための継続的な治療プラン(内服薬、吸入薬など)を組み立て、生活の質を落とさない様に努める必要があります。

猫風邪 / 猫の急性上部呼吸器感染症

猫風邪は、主にヘルペスウイルスとカリシウイルスによって引き起こされる猫の上気道感染症です。今までは猫のウィルス性上部気道疾患と呼ばれておりましたが、2016年以降は猫の急性上部呼吸器感染症と定義されました。

主な症状には、くしゃみ、鼻水、目の充血や分泌物、発熱、食欲不振などがあります。重症の場合は、目の炎症や口内の潰瘍が見られることもあります。通常、発症から数週間で改善しますが、一部の猫はその後に慢性的な鼻や目の症状へと移行していきます。未治療の場合は二次感染合併を生じやすく、特に幼猫や免疫力が低下している猫では重篤な症状を引き起こす可能性があります。免疫力が弱い猫では肺炎を併発することもあり、時に命を脅かす状況に至ることもあります。予防としては、適切なワクチン接種が有効的です。

(先天性)漏斗胸

漏斗胸は、胸骨・肋軟骨が内側に陥凹する先天的異常です。生後すぐに発見されることがほとんどで、原因は明らかにされていませんがベンガルでの発症が多いとされています。

主な症状として、浅速呼吸、チアノーゼ、運動不耐性がみられます。重症の場合、呼吸困難や成長遅延なども認められます。呼吸困難の場合、呑気する(大量に空気を飲み込んでしまうこと)ため、嘔吐などの消化器症状を示す場合があります。また、陥凹した肋骨により心臓や肺などの臓器を圧迫するため、不整脈などの症状を示す可能性もあります。加えて心臓の奇形を併発する症例が多いため注意が必要です。

症状が軽く日常生活に支障がない場合、無治療のまま経過観察とされます。重度の場合には、手術による矯正が推奨されます。体外から器具を装着し、胸骨を牽引する方法が多く採用されています。

治療例のご紹介

短頭種気道症候群の検査から治療

STEP1

初診来院時に血液検査、レントゲン検査、血液ガス検査など基礎検査を実施します

STEP2

麻酔下でより詳細な検査を実施し、
必要に応じて当院で処置や手術を行います。
また、当院で対応が難しい症例の場合は、2次診療施設へご紹介します。

STEP3

手術後は数日入院をしていただき、その後退院となります。
※状況次第では入院日数が前後することがあります

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犬の慢性気管支炎の検査から治療

STEP1

初診来院時に血液検査、レントゲン検査、血液ガス検査など基礎検査を実施します。
その後、内服薬による治療、ネブライザーによる治療、心臓治療の強化など、状況に応じた適切な治療を行います。

STEP2

必要に応じて、気管支鏡を用いてより精密な検査を行い、治療の方針の再検討を行います。

STEP3

定期的に検診を行い、治療経過を観察します。

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猫喘息の検査から治療

STEP1

初診来院時に問診聴取を行い、状況を正確に把握します。
また、血液検査、レントゲン検査、血液ガス検査など基礎検査を実施します。

STEP2

検査結果に応じて、内服薬による治療やネブライザーによる治療、吸入療法など、適切な治療方法をご提案します。

STEP3

重症の場合は、入院下での継続的な治療を行います。
※状況次第では、入院日数が前後することがあります

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猫漏斗鏡の検査から治療

STEP1

初診来院時に血液検査、レントゲン検査、血液ガス検査など基礎検査を実施します。
その後、成長段階を待つか、外科的整復を行うかを判断します。

STEP2

治療のために、成長段階によって適正なサイズの装具装着を麻酔科で行います。

STEP3

手術後は数日入院をしていただき、その後退院となります。
※状況次第では入院日数が前後することがあります

STEP4

定期的なモニタリングを行い、状態が改善されたタイミングで装具を外します。

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呼吸器治療専門機器のご紹介

ネブライザー

ネブライザー

ネブライザーは、液体の薬を微細な霧状にして肺に直接送り込む医療機器です。この装置は、気管支炎や喘息などの呼吸器疾患を持つ犬猫に対して、効果的な治療法として用いられます。霧状の薬剤が直接肺に届くため、即効性があり、全身への副作用が少ないのが大きなメリットです。

気管支鏡

気管支鏡

気管支鏡は、気管や気管支の内部を直接観察するための細長いカメラ付きの管です。この機器を使用することで、異物の確認、組織のサンプリング、局所的な治療が可能となります。高い診断精度と直接的な治療の施行が可能であるため、より適切な治療方針を立てるのに役立ちます。

血液ガス検査機器

血液ガス検査機器

血液ガス検査機器は、血液中のガス(酸素や二酸化炭素)の濃度とpHを測定するための装置です。この機器を利用することで、動物の呼吸や代謝の状態をリアルタイムで把握でき、特に重篤な呼吸器や循環器の状態を評価する際に不可欠です。迅速で正確なデータ提供が可能であり、急性状態の管理に非常に有効です。

ICU入院施設

ICU入院施設

酸素・室温を一定に保つことで低酸素状態にある動物の負担を最小限にするための設備です。当院では最大60%濃度まで上げられるICU装置を取り入れています。

レントゲン検査

レントゲン検査

レントゲン検査機器は今やどこの病院にも必ず備えてあることと思います。当院では呼吸器疾患の症例には必須で検査を実施しております。難易度の高い画像に関しては大学病院などに読解を依頼することも可能で高度な読解を提供できます。

一時気管切開チューブなどの救命ツール

一時気管切開チューブなどの救命ツール

短頭種気道症候群などの疾患では時に重篤化し、深刻な呼吸困難を生じることもあります。
当院では緊急時に備え、気管に一時的に設置し呼吸状態を確保するための道具を常備しています。

治療の流れ

1

予約・問診

ご予約、ご来院の際は、事前にお電話にてご予約ください。
診察前に詳細について問診を実施しますので、ご予約時間の5~10分ほど前にご来院ください。

2

必要な検査のご提案

問診から疾患の絞り込みを行い、その鑑別を基にさらなる絞り込みのためまずは基礎的な検査を実施します。一般血液検査、レントゲン検査、胸部超音波検査、血液ガス検査、酸素飽和度測定など、麻酔等の必要ない検査から行なっていきます。

3

治療の継続または精密検査の実施

上記の検査内容を基に鑑別リストを作成し、必要に応じて治療からスタートする、あるいはさらなる精密検査を取り入れるなどを考慮します。

4

確定診断の実施

精密検査として麻酔下での内視鏡検査(喉頭鏡あるいは気管支鏡)が必要となる場合、後日改めて実施することになります。

5

お会計

お会計やお薬のお渡しは受付からさせていただきます。
またその際に次回の再診目安もお伝えさせていただきます。
当院では、現金のほかにクレジットカード決済にも対応しております。診断結果によってはペット保険のご利用も可能です。

担当医紹介

院長・宮直人の写真
院長

宮 直人

経歴

1983年
東京都杉並区西荻窪生まれ
2009年
日本獣医生命科学大学卒(所属研究室: 獣医放射線学教室)
2009-13年
東京都杉並区 西荻動物病院勤務
分院 上石神井動物病院 副院長
2014-16年
TRVA 夜間救急動物医療センター勤務
2016-17年
関東近郊の複数の病院で非常勤獣医師として勤務
2017年6月
奥沢すばる動物病院 開院

所属学会

  • 獣医がん学会
  • 日本獣医麻酔外科学会
  • 日本獣医画像診断学会

学会発表実績

2014年
第35回 動物臨床医学会記念年次大会 症例検討"救命救急における肺エコーの実践"
2015年
第11回日本獣医内科学アカデミー学術大会 症例検討”下部呼吸器疾患に対して肺エコー検査を実施した22症例についてその有用性の検討”
2015年
第60回 日本透析医学会学術集会・総会 ワークショップ"急性腎不全に対し血液透析を実施した後、不均衡症候群に陥った猫の一例"
2016年
第12回 日本獣医内科学アカデミー学術大会 症例検討"TFAST3検査による気胸診断 2症例"
2016年
呼吸器談話会オープンセミナー 症例検討"FAST検査が有用であった外傷性肺挫傷の犬の一例"
2016年
春季合同学会(麻酔外科、循環器、画像診断) 教育講演"胸部FAST検査 〜呼吸困難症例〜"

料金表

専門初診料 4,400円(税込)
再診料 1,100円(税込)
  • ※初診の際は60分の予約枠です
  • ※上記診察料のほかに、検査費用と薬の費用が別途かかります

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